■周りが分かって使ってあげられるか

 ボールに関わるところでは橋岡、板倉、遠藤、田中、鎌田、そして古橋とうまくつながったが、中央を崩すにあたり、起点になった橋岡がしっかりと右外の高い位置までポジションを上げており、逆サイドでは左ウイングバックの三笘薫が、古橋とほぼ同じ高さで幅を取っていた。
 そして、ここで鍵になったのはセルティックの同僚でもある前田大然の動きだ。中盤で田中から鎌田にボールが出る流れで、中央からやや外側に走ることで、右センターバックのウェイ・ジェンを外側に視線誘導して、古橋のプレースペースを少しでも広げようという意図が伝わる。
 直接的に古橋を生かしたのは鎌田のスルーパスだが、チームとして古橋の特長をうまく使ってゴールしようというビジョンが共有されていることを印象付けるシーンだった。攻守の切り替わりが多いゲームで、FWの選手が縦を狙うというのはノーマルだが、古橋がJリーグ時代からスコットランドのセルティックに所属する現在まで、継続してゴールを量産できている理由の1つが、狭いスペースでも動き出しでラストパスを引き出して、決定的なシュートに持ち込めることだ。
 往年のフィリッポ・インザーギを彷彿とさせるそのスタイルは一人で完結できるものではなく、いかに周りが分かって使ってあげられるかにかかっている。これまでの代表活動においても、そうした古橋の持ち味が全く周りに意識されていなかったということはないはず。この日は同じピッチに立てなかったが、伊東純也は「亨梧とは大学の時からやっていて長いので、彼の良さは分かっています」と語り、こうも続けた。
「裏抜けだったりその一瞬のところ。小さくても、ゴール前の駆け引きとか上手い。クロスのところも入っていくのも上手いので。速いボールだったり、シンプルに足も速いので裏抜けだったり。自分パスも出せるので、そういうとこを生かしていければ」

PHOTO GALLERY 全ての写真を見る
  1. 1
  2. 2
  3. 3