■森保一監督が「監督として嬉しいシーンでした」

 それは、菅原由勢の得点後の祝福場面だ。
 指揮官は、「ユキナリが得点した時、本当に出場機会を得られない選手たちの努力をチーム全体で分かっていて、そこから結果を出したことにみんなで喜ぶというシーンは非常に監督として嬉しいシーンでした」と語って、多くの選手が菅原の元に駆け寄った場面を挙げた。
 菅原は後半24分にゴールを決めると、メイン側のコーナーフラッグ近辺に走って、まずは手を天に突き上げる。そして、最初に駆け寄った瀬古歩夢谷晃生とジャンプして“集合”。その後、田中碧伊東純也橋岡大樹堂安律遠藤航久保建英、中村敬斗らの“渦”に飲み込まれた。
 菅原由勢は試合後、「最終予選が始まってから、自分自身悔しい思いを今日これまでしてきたし、今日だって、スタメンに自分の名前がなかったときはやっぱ悔しかったし、そういう気持ちは僕の原動力になっていると思うし、何回も自分に対していら立ちというか、他の人に矢印を向けそうになりそうなときもありましたけど、やっぱりサッカー選手ということで、ピッチに立って自分を証明することが、結果につながってくると思ってたので、そういった意味で今日は途中から入ったら結果を残してやろうという気持ちで入ったので、まずは結果を残せてよかったことと、それまでサポートしてくれた人たち、監督も含め選手もそうですけど、常に励ましてくれたし、僕のモチベーションを上げる言葉をくれたので、本当に全員に感謝したいです」とその気持ちを吐露していた。
 中国戦は6万人もの観客が集まるとされる超アウェイゲーム。先発した11人だけでなく、ベンチメンバー、そして、ベンチ外となった4人の選手も含めて、全員の走力戦で勝利をつかみ取る。
(取材・文/中地拓也)

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