鹿島アントラーズに3ゴールを連取され、攻めてはシュート数がわずか2本、しかもゴールの枠へ飛んだのが0本で迎えたハーフタイム。川崎フロンターレのホーム、Uvanceとどろきスタジアムのロッカールームに語気を強めた声が響いた。
「信じているのは自分だけか!」
鹿島が前半だけで3点を取れたのなら、自分たちにもできる。鬼木達監督が飛ばした檄を聞きながら、29分に負傷退場したMF脇坂泰斗に代わり、左腕にキャプテンマークを巻いて急きょ出場したFW小林悠は自問自答を繰り返した。
「今シーズンに入って何度、同じような失敗を繰り返してきただろうか」
リザーブとして1日のJ1リーグ第35節を、ベンチから見つめていた前半。小林が目の当たりにしたのは、すべてで後塵を拝する味方の姿だった。
「前半の入りから鹿島の勢いが本当にすごかったし、対する僕たちは相手の迫力に押されてしまっていた。前半の戦い方がすべてだったし、オニさん(鬼木監督)に言われて気がつくのではなくて、これまで何度も入り方が悪い試合があったなかで、スタートからしっかりと戦う姿勢を見せなきゃいけなかった」