■躍進の背景にあった「フランス生まれ」

 現在のインドネシア代表を見ると、2002年ワールドカップでのセネガルを思い起こす。1990年代まで、セネガルはアフリカで強いチームとは言えなかった。1998年12月のFIFAランキングは95位。しかし2000年にフランス人のブルーノ・メツ監督が就任して急成長し、初めてのワールドカップ出場を成し遂げた。

 それだけではない。日本と韓国の共同開催で行われたワールドカップでは、A組に入って開幕戦を前回優勝のフランスと戦い、1-0の勝利。グループを2位で突破すると、ラウンド16では延長戦の末スウェーデンを2-1で撃破、準々決勝ではまたも延長の末トルコに0-1で敗れたが、アフリカ勢として1990年大会のカメルーンに次ぐベスト8の好成績を収めた。

 この大会を経てFIFAランキングは32位まで上がった。その後、苦しむ時期もあったが、現在は20位。アフリカでも、エジプト、コートジボワール、ナイジェリアら強豪を抑え、モロッコ(13位)に次ぐポジションを占めている。

 メツ監督時代の躍進の背景にあったのは、欧州、なかでもフランス生まれ、あるいはフランスで育ってプロになっている選手を発掘し、セネガルのパスポートを与えて代表選手に仕立て上げることだった。2002年ワールドカップ出場のセネガル代表には、数多くのそうした選手が含まれていた。

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