■サポーターに伝えたかったもの
上海のチーム状況も、冷静に見ていた。
「体力的なところで相手が少しばてて、切り替えも遅くなって縦の間延びがあったので、間・間で受ければ前進できるシーンがありました」
そう話すが、「決定的なチャンスを作れたわけではない」と悔しさを見せる。そして、「それを10人でもやれるように、攻めのところでリスクを冒すところと、冷静に判断するところ。ミドルシュートも打てるチャンスだったと思うので、もっとやっていきたい」と次につなげる覚悟も見せる。
勝利したい気持ちが脇坂を突き動かすが、その理由の一つがサポーターの存在だ。中国・上海に乗り込んだその数は、170人。2階席から必死に声を送る存在に、脇坂は視線を向けていた。
試合後の挨拶でも、そのサポーター席に感謝するように手を叩き続けた。ロッカールームに戻る順番は、最後尾になっていた。
「中国にあれだけ大勢のサポーターが駆けつけてくれたので、感謝の気持ちがありました」
その時の胸の内をこう説明する脇坂は、「次に向かう姿勢を見せたかったですし、来てくれた感謝もそうですし。これで今シーズンが終わったり、敗退したわけではないので、そういう気持ちを伝えたかったです」と続ける。