■山田新「突破しても一緒に戦うことはできないので、本当に最後ですし……」

「メンタル的にじゃないですけど、感情的にいろいろ動いている時間ではあったので、難しさを感じますけど、体的にはうまくいけてると思います」
 試合前の気持ちをこう口にしたのは、山田新である。大学を卒業して今季がプロ2年目。昨季は出場機会も限られていたが、今季はここまで15得点。先発の座を掴みつつある。
 力強いイメージが先行する選手だが、「メンタル的に難しい……感情的に難しいいろんなことがあったので」と言葉を重ねると、「結局は勝つことがいろんな意味で一番、重要だと思う。みんないろんな思いがあって難しさを感じてると思うんですけど、勝ちへの思いを一つにできればいい」と心情を吐露する。
「このグループを突破しても一緒に戦うことはできないので、本当に最後ですし……」
 退任が決まっている鬼木監督とは、この大会の途中で別れることとなる。だからこそ、こう話して残り試合に視線を向ける。
「期待してくれていると思うので、起用や期待に全力で応えることが大事」
 こうも話す山田は、恩師の退任を聞いたときの感情をこう説明する。
「本当に細かくプレーを教えてくれましたし、プロ1年目の監督が鬼さんで本当によかったと思いました。今年と去年であんまりチームとしては、うまくいったシーズンではなかったし、個人としても、もっと起用に応えられたらなって思いがあったので……」
 今季の得点数は先述したように15得点。得点ランキングでは4位に入る数字だが、それでも足りないのか、改めて尋ねれば、「点は去年よりは取れてますけど、もっとやれることはあった。すべての試合が全部うまくいくわけではないですけど、うまく行かせたかった」と歯がゆさを表す。

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