【上田綺世&小川航基。苦難のサウジ戦で光ったFW陣の現在地(1)】決定機逸もタメを作る仕事で覚醒したエース・上田綺世。「もっとできる」の言葉が示す、着実な成長とはの画像
サウジアラビアの選手と競るサッカー日本代表の上田綺世 撮影:中地拓也

 過去3度戦って、いずれも0-1で敗れている因縁の地・ジェッダで宿敵・サウジアラビアに挑んだ10日の日本代表。今回も案の定、苦しめられる展開となった。

「試合前から4枚で来るかもしれない、アンカーを置いてくるかもしれないというのは言われていたけど、僕らはミラー(3-4-2-1)を期待していました。でも相手は4バックで来て、僕らは最初、前から行っていた分、蹴られた後がしんどかった。『行かなければいけない』という意識のまま守備をしていたのがきつかった」と守田英正スポルティング)は試合の入りを振り返ったが、立ち上がりは主導権の握り合いのような状況もあった。
 そんな中、日本は前半14分という早い時間帯に鎌田大地(クリスタルパレス)がいいビルドアップから先制点をゲット。チーム全体を落ち着かせた。そこからはミドルブロックを引いて、そこまで奪いに行かない守備に変化。その分、相手がボール握る時間も増え、カウンターも多くなったが、日本も負けじとチャンスを作った。
 最たるものが前半終了間際の上田綺世(フェイエノールト)の反転シュートだろう。板倉滉(ボルシアMG)のタテパスを南野がターンしながら出したボールを受けた背番号9は「これはもらった」とばかりに左足を振り抜いたが、惜しくもGKに弾かれた。
「シュートチャンスは逃さないようにしてますし、味方を生かしつつも、そういうターンのチャンスも来ると思ってるんで、それは逃さないようにしてます。ただ、課題はシュート精度。もう1個運んでもよかったかなとも思います」と本人も悔しがったが、こういった思い切りのいいプレーはフェイエノールトでコンスタントに試合に出るようになったからこそできるものなのだろう。

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