■「上手に壁になれればチームももっといい形で前進できる」

 上田の高い意識はピッチ上で如実に表れた。3~4人のDFに囲まれても何とか粘ってキープし、味方のチャンスをお膳立てするようなシーンが何度か見られたのだ。
「収める仕事が前進した手ごたえ? まあ、あるっちゃあるけど、もうちょっとできるかなっていうのと、もっと効果的にパスを受けて上手に壁になれればチームももっといい形で前進できるのかなと。まだ受け方のところはもっと幅を広げていかないとなと感じています。チームのために時間を作る、前でタメを作るっていう仕事は今後も求められるし、どこに行っても同じ。それができるようにしたいなと思ってます」
 結局、上田の献身的プレーが追加点に結びつくことはなかったが、前線で体を張る仕事に限って言えば、着実な成長を示したのは確か。それは森保監督も認めているはずだ。フェイエノールトでヒメネスからポジションを奪い、2026年W杯で日本の看板に君臨するためにも、その部分を突き詰めていくことが肝要だ。2-0で鬼門突破したジェッダでの大一番で、上田が得た自信は少なくなかっただろう。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)

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