■長谷部誠コーチからの言葉
そんな遠藤を後押ししてくれたのが、今回から参戦している長谷部誠コーチ。彼も2014年ブラジルW杯最終予選序盤の2012年夏から秋にかけて、当時所属のヴォルフスブルクで移籍問題に直面。フェリックス・マガト監督から構想外のような扱いを受けながら、代表キャプテンを務めていたことがあったのだ。
「前日会見に来る時に一緒の車に乗ったんですけど、『この年齢だったら、そんなに試合に出ていなくても、試合勘とかは関係ないと思いながら自分もやっていた』と長谷部さんも言っていましたね」と遠藤は明かしたのだ。
似た境遇を経験する元キャプテンが身近にいることで、精神的な拠り所が生まれたのは確か。ここからどういう苦難に直面しても、遠藤はブレずに前だけを見据え、突き進んでいくはずだ。
最終予選1戦目が終わり、日本のC組はオーストラリアがバーレーンにホームで0-1と苦杯を喫し、サウジアラビアもホームでインドネシアに1-1のドロー。かなり混とんとした状況になっている。「日本一強」のような構図とも言えるが、まずはバーレーン戦、そして10月のサウジ・オーストラリア2連戦を乗り切ることが肝要だ。遠藤にはここからさらにギアを上げ、強い統率力と発信力を示し続けてほしいものである。
(取材・文/元川悦子)