5日の中国戦で、三笘薫とともに序盤の流れを引き寄せる大仕事をしたのが、キャプテン・遠藤航だった。
「1点目をいつ取れるかというところで、セットプレーで準備していた形で自分のところで点を取れた。僕のマークをみんながブロックして、自分をフリーにしていくような形で、相手はかなりつきづらかったと思います」
背番号6をつけるリーダーは前半12分に久保建英の左CKから奪った先制弾をこう振り返った。日本代表にとってリスタートというのは前々からの課題だった。第1次森保ジャパン時代も菅原大介コーチ(現U-19日本代表コーチ)ら分析スタッフを加えて対策を講じたが、最終予選では目覚ましい成果が得られず、大いに苦しんだのだ。
けれども、今回の2026年北中米W杯最終予選では、初戦からいきなりその課題を克服してみせた。久保という優れたキッカーがいることも大きいが、190センチの町田浩樹(サンジロワーズ)ら長身DFが増えたことで、彼らにマークが行きやすくなり、遠藤がフリーになる確率が上がったことも大きいだろう。
今後の対戦相手も日本相手に徹底したマークをしてくるチームが多いはず。リスタートというのは必要不可欠な武器になる。その口火を切った遠藤の一撃は今後に向けて大きな意味をもたらすと言っていい。