今シーズン2度目の4連勝を狙った25日のジェフユナイテッド千葉とのJ2リーグ第28節で、2-4で逆転負けを喫した直後。敵地・フクダ電子アリーナのロッカールームで、ベガルタ仙台を率いる森山佳郎監督は問いかけた。
「お前たち、どうするんだ?」
視線の先にはボランチを主戦場とする松下佳貴、工藤蒼生、鎌田大夢がいた。指揮官は3人を鼓舞する狙いを込めながら、さらにこう続けている。
「長澤がいなくなった後に、お前たちはやれるのか?」
ゲームキャプテンを担う司令塔、長澤和輝が千葉戦を最後に海外移籍へ向けてチームを離脱すると発表されたのが21日。勝って送り出そう、を合言葉に臨んだ一戦は2度のリードを奪いながら、今シーズン最多タイの4失点を喫して敗れた。
「チームのコンダクターというか、ピッチ上の監督のような形で長澤がチームを引っ張ってくれて、いろいろな状況に応じてチームを動かしてくれていた。いなくなったその穴は本当に大きすぎるので、ここからが大変だ、というところですね」
J1の名古屋グランパスから完全移籍で仙台へ加入して1年あまり。プレー面、メンタル面、そしてリーダーシップの面で、32歳の元日本代表MFが必要不可欠な存在と化してひさしいからこそ、森山監督はあえて厳しい言葉を投げかけた。
「このなかで一人でも『誰かが(長澤の代わりを)やってくれるんじゃないか』と思っているようでは、僕たちはここからずっこけていくぞ」