毎回のように下剋上の起きる天皇杯。鹿島アントラーズは直近の2大会続けて屈辱を味わってきた。その相手は奇しくも同じヴァンフォーレ甲府。2022年は10月5日の準決勝(カシマ)で激突し、宮崎純真の一撃を食らって0-1で完敗。2023年7月12日は3回戦(JIT)でぶつかり、延長・PKの末に苦杯を喫している。
「僕自身も去年、ここでPKで負けましたし、その悔しさというのは誰1人忘れていなかった。ここで(甲府と)当たるっていうのも『自分たちは試されてるな』と。僕はそう思っていました」
植田直通は神妙な面持ちでこう話したが、鹿島としては同じ相手に3度も敗れるわけにはいかない。リーグ戦も佳境ということで、ランコ・ポポヴィッチ監督は鈴木優磨、柴崎岳、安西幸輝や主力級数人を休ませ、田川亨介、ミロサヴリェヴィッチ、須貝英大ら控え組を先発に抜擢。今季なかなかハードルの高い「メンバーを入れ替えながら勝ちに行く」というチャレンジに打って出た。