■雷雨の浦和×柏戦以外で見られた「蛮行」

 藤田譲瑠チマ主将、小久保玲央ブライアン、そして熊谷紗希キャプテンの敗戦後の涙が印象深い、オリンピックのサッカーが、男女そろって準々決勝で敗退することを見越していたかのように、8月7日には、2週間半中断していたJ1が再開した。雷雨のために浦和レッズ×柏レイソルが中止になったが、残りの9試合では、相変わらず選手によるレフェリーの取り囲みや執拗な異議が見られた。

 UEFAがEUROで「キャプテンオンリー」が有効であることを実証し、IFABもJ1やJ2でも使っていいと追認したのに、なぜJリーグの反応がこれほど鈍いのか、不思議でならない。IFABの「追認通達」から2週間の時間があった。日本サッカー協会の審判委員会と話し合い、全クラブにも説明する時間は十分あったのではないか。

 レフェリーの取り囲みや執拗な異議、暴言、威嚇などは、間違いなくサッカーの敵である。見ている人をうんざりさせ、せっかくのスピーディーでハイレベルな試合を台無しにする。こうした行為でJリーグは大きな損害をこうむっているはずなのに、こんなチャンスを利用しないことが理解できない。

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