■仕上げは乾!! 清水がアウェイで5戦ぶりの勝利

 清水は後半もチャンスをつかむ。66分、乾の絶妙なスルーパスからカルリーニョス・ジュニオが抜け出す。左サイドから単独でゴールへ迫るが、シュートは帰陣したDFにブロックされる。70分には相手のビルドアップをルーカス・ブラガが引っ掛け、乾がペナルティエリア内でGKと1対1になる。しかし、相手GKに阻まれた。

 2度のビッグチャンスを逃したことがきっかけとなり、試合の流れを失ってもおかしくなかっただろう。ここで秋葉監督が動く。73分、ルーカス・ブラガとカルリーニョス・ジュニオを下げ、矢島慎也白崎凌兵を投入する。2列目は右から矢島、乾、白崎となり、守備時は4-4-2となるブロックをより強固なものとしつつ、ボールを保持しながら相手のスキを見つけていく。

 83分にはDF吉田豊とDF北爪健吾を投入し、立ち位置を変更する。守備時は5-4-1で対応しながら得点機をうかがい、89分にカウンターから乾が2点目をゲットする。前半からゲームをコントロールし続けた背番号33が、勝利を決定づけたのだった。

 試合後の秋葉監督は「選手は何が何でも勝つという執念、執着を全面に押し出してくれた」と振り返った。今節は首位のV・ファーレン長崎、2位の横浜FCが引分けたため、清水は20節以来となる首位への返り咲きを果たした。2週間の中断を経て再開される後半戦へ向けて、秋葉監督は「ラスト14試合、突っ走りたい」と引き締まった表情で話した。

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