■「スパルタコンビ」の強烈な存在感
そこからは右サイドの崩し、リスタート、カウンターと多彩なパターンで3点を追加。フランス入り後、コンディションを崩して出遅れていた荒木遼太郎(FC東京)らもピッチに送り出す余裕の戦いを見せ、最終的に5-0で圧勝。これだけの好発信は大岩監督も想定異常だったかもしれない。
とりわけ、強烈な存在感を放ったのが、4~5月のAFC・U-23アジアカップ(カタール)にチーム事情で参戦できなかった斉藤・三戸の「スパルタコンビ」だ。この半年間、クラブで共闘してきた彼らはお互いの個性やストロングを分かり合っていて、”阿吽の呼吸”がある。序盤からの左の崩しは2人がいてこそ成立したと言っていいだろう。
「自分が欧州で経験したことが五輪で出せるといい」と斉藤は大会前に話していたが、屈強なDF相手でもひるむことなく突破やチャンスメークで攻撃をけん引した。三戸の2点目をアシストしただけでなく、中継役としてボールをつなぎ、自らも危ないゾーンに入っていくような機転の利いた仕事ぶりが光った。
三戸にしても臨機応変にポジションを変えながらフィニッシュに絡んでいくクレバーさが際立っていた。2人の五輪参戦効果がどれだけ大きかったかを改めて痛感させてくれたパラグアイ戦だったのではないか。
中2日で迎える27日(日本時間28日早朝)のマリ戦に勝てば、日本は早々とグループ突破を決められる。そういう理想的なシナリオに持っていくことが肝要だ。
(取材・文/元川悦子)
(後半へ続く)