後藤健生の「蹴球放浪記」第220回 「南アフリカW杯でケンカに明け暮れた毎日」の巻(2)初戦カメルーン戦は「一発」も…意見の食い違いから「権力争い」、命令口調の女性ドイツ将校とは「争わない」の画像
南アフリカW杯、日本対カメルーン戦の入場券。提供/後藤健生

 2010年のワールドカップを前に、日本のジャーナリストたちは揺れていた。治安最悪と言われる南アフリカでの取材に、恐怖を覚えていたのだ。蹴球放浪家・後藤健生も当然、彼の地の取材におもむいた。そして、敢然と戦ったのだ。

■スカパー!と電話しながらナビ「天才か?」

 日本の初戦、カメルーン戦は、ヨハネスブルグから南に400キロ弱のブルームフォンテーンが会場でした。

 試合前日にブルームフォンテーンのB&Bを予約してありましたから、レンタカーの隊列を連ねて現地に向かいました。高速を降りてから、僕はガイドブックを取り出して、そこに載っている大雑把な地図を頼りにナビゲーションを始めました。後は方向と距離を計算しながら、頭の中の地図と照らし合わせながら目的地に向かいました。

 ところが、そこに日本のスカパー!から電話がかかってきたのです。なんか、急ぎの用件だったので、電話で話しながら、そのままナビゲーションを続け、一発で目的地に到着したので、このときは「自分は天才なのではないか」と思ったほどです。

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