■指揮官交代で状況一変

 それが今年3月までで続いたが、指揮官がイゴール・トゥドール監督に代わると状況は一変。鎌田は一気に攻撃の主軸と位置づけられ、高い技術や創造性を発揮し始める。

「ラツィオ自体がイタリアのサッカーで、インテンシティや負荷をかける選手があまりいなかったんで、監督の求めている選手像と自分が当てはまった」と本人も語っていたが、自身を信頼してくれる指導者と出会えたことで鎌田はようやく希望を見出したのだ。

 けれども、結局、ラツィオとは条件面で話し合いが決裂し、1年で退団することが決まった。新天地と目されるクリスタルパレスにはフランクフルト時代の恩師、オリヴァー・グラスナー監督がいて、トゥドール監督同様に鎌田に信頼を寄せてくれるはず。「選手は監督次第」ということを痛感した彼にしてみればいい環境なのは間違いない。あとは今季の経験をどう生かすかだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5