■乾―北川のホットラインで決勝弾!!
後半開始とともに、清水は攻撃のギアをさらに一段あげた。開始早々の46分、MF乾貴士のパスから右ウイングバック北爪健吾がペナルティエリ内右から決定的な一撃を浴びせる。その後も52分に北爪のクロスを乾がフィニッシュへつなげたが、右足のシュートはバーをかすめるように枠を逸れていく。
秋葉監督が動いたのは64分だった。ルーカス・ブラガを下げてFWドウグラス・タンキを投入する。ドウグラス・タンキが最前線に立ち、FW北川航也が2シャドーの右へポジションを移す。
選手交代から3分後、IAIスタジアム日本平が熱狂に包まれる。左サイドでパスを受けた乾が、ゴール前へ走り込む北川へラストパスを通す。ペナルティエリ内右でシュート態勢を整えた背番号23は、落ち着いてゴール左隅へ流し込んだ。
藤枝がGKのキックをきっかけに重心を前へ移しかけたところで、清水はパスカットしたボールを素早く乾へつなげた。相手が守備陣形を整える前に、攻め切ったのである。北川はシーズン9ゴール目だ。
秋葉監督は77分と86分に2枚替えを行ない、最後は4-4-2へシステムを変えて逃げ切りをはかる。後半も相手のシュートを2本に抑え、際どい一撃はGK権田修一が高い集中力で弾き出す。1対0のまま試合をクローズさせた清水は2試合ぶりの勝利をつかみ、前半戦を首位で折り返すことに成功した。19節終了時点の勝点43は、昨シーズンのJ2を制したFC町田ゼルビアを上回る好ペースだ。
清水は12日に天皇杯2回戦を消化し、その後は愛媛FC、ブラウブリッツ秋田とのアウェイゲームが続く。リーグ戦の4敗はすべて敵地で喫しているが、秋葉監督は「色々なアイディアもある。工夫してやっていきたい」と話す。後半戦の序盤でつまずかないためにも、重要な連戦となる。