【森保ジャパンの最終ラインはどう機能し、そして可変したのか(2)】平均身長188cm超DFが後半に築いた“最終ラインの城壁”。板倉滉は「逆に4枚をトライしよう、となりました」の画像
シリア戦でプレーするサッカー日本代表の板倉滉 撮影:中地拓也

 エディオンピースウイング広島にシリア代表を迎えた、11日の北中米W杯アジア2次予選の最終節。ゴールこそ奪えなかったものの、前半はわずか1本に終わっていたシリアのシュート数は、後半に入って5本に増えている。

 前半を3-0で折り返した日本が、追加点となる4点目をMF相馬勇紀(カーザ・ピア)のPKで奪ったのも73分だった。やや停滞した時間帯が続いた要因は、前半の[3-4-2-1]から[4-2-3-1]に変わったシステムにあった。

 後半開始とともに、森保一監督はMF中村敬斗(スタッド・ランス)に代えてDF伊藤洋輝(シュツットガルト)を投入。左から伊藤、町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ)、板倉滉(ボルシアMG)、そして冨安健洋アーセナル)の4バックに戻した。そこでなぜ停滞を余儀なくされたのか。町田が苦笑しながら振り返る。

「2トップではめにくる相手に対して、自分たちの方からはまる形になりました」

 シリアの2トップと日本のセンターバック(CB)が数的同数になり、前半は3バックの真ん中でカバーリングを担った板倉をして「より人にいかないといけなくなった」と言わしめた状況が生まれた。ただ、板倉はこんな言葉も紡いでいる。

「前半の3枚の感覚はまったく悪くなかったなかで、逆に4枚をトライしよう、となりましたけど、その分、1対1の場面が増えるのはわかっていました。そこの勝負も負けていなかったと思うし、4枚にすることで最終ラインの距離感がちょっと開きましたけど、そこは運動量とスピードでカバーできていたと思います」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4