6月6日のミャンマー戦(ヤンゴン)で2ゴールという目に見える結果を残し、代表1トップ争いに堂々と名乗りを挙げた小川航基(NECナイメンヘン)。2017年U―20W杯(韓国)で堂安律(フライブルク)や冨安健洋(アーセナル)らと主力を張っていたことを考えると、ここまで上り詰めるのが遅すぎたくらいだ。
本来であれば、2021年夏の東京五輪の段階でも、小川は上田綺世(フェイエノールト)や前田大然(セルティック)らとFW争いを繰り広げているべき人材だった。当時はジュビロ磐田で長い停滞を余儀なくされたが、今となっては回り道してきたからこそ、本人も危機感を強め、貪欲に高みを目指すようになった。20代後半が彼にとっての一番の成長期なのかもしれない。
実際、伸びたのは得点力だけではない。中村敬斗(スタッド・ランス)にお膳立てした5点目を見ても分かる通り、DFを背負ってしっかり起点を作り、味方に点を取らせるターゲットマンの仕事を進んでやるようになっている。それはオランダ挑戦1年間の大きな成果だと小川自身も胸を張る。
「体を張って、相手をブロックして起点になる仕事は1年間オランダで取り組んできたこと。監督やコーチからはすごく言われてきたし、自分のプレーが出たかなというふうに思う。満足はできないですけど、これから自信を持ってのぞみたいですね」と彼は堂々とした口ぶりを見せていた。