■「後半開始早々の失点が響いた」
1対1で迎えた後半、仙台はいきなり被弾する。左サイドからクロスを入れられ、大外でフリーになっていたFW岩渕弘人に流し込まれてしまう。チーム全体がアラートさを欠いたことによる失点だった。
守備時は5-4-1になる岡山に対して、仙台は敵陣にスペースを見つけにくい。相手の守備ブロックを混乱させる仕掛け、言ってみれば不確実性をもたらす不確実なプレーが求められるなかで、58分に左SB石尾陸登のクロスからCB菅田真啓がヘディングシュートを浴びせる。直前に石尾がロングスローを入れ、この場面ではクイックで味方につないだことにより、ゴール前に残っていた菅田が競り勝つことができたのだった。
仙台の森山佳郎監督は、61分に石尾を下げてDF真瀬拓海を投入する。これまでサイドハーフでの起用が多かった真瀬を本職の右SBに置き、高田椋汰を右サイドから左サイドへスライドさせる。真瀬とオナイウを並べることで、右サイドからの攻撃を強化する狙いだ。
ところが69分、シンプルなクリアからFWルカオに左サイドを切り裂かれる。ゴール前でマークも外されて3点目を喫する。ルカオのパフフルなプレーに、この日の仙台は苦しめられた。
直後の70分、森山監督はボランチの松下佳貴とMF名願斗哉を送り出す。中盤でボールを動かせる選手と、ドリブルで相手の守備を剥がせる選手を入れたが、5-4-1のブロックの目線を変えられない。76分には右ウイングバックの柳貴博に左ポスト際まで侵入され、浮き球を押し込まれてしまった。後半の仙台はシュートを3本しか許していないが、その3本すべてを決められてしまった。
岡山はここまでリーグ最少2位の11失点を誇る。リードを広げた彼らがバランスを崩して攻める必要はなく、仙台は1対4のまま終了のホイッスルを聞く。09年以来の5連勝とはならなかった。
シーズンワーストの4失点で5試合ぶりの敗戦を喫した森山監督は、「後半のスタートの失点が響いた。あそこからどうしてもオーバーアタックになり、攻撃の数だけ失点されたみたいな、向こうにとっては効率の良い追加点だった」と振り返った。
次節はいわきFCとのアウェイゲームだ。勝点29のままで5位に後退した仙台に対して、いわきは勝点27の7位だ。今節に続いての6ポイントマッチで、その後もヴァンフォーレ甲府、V・ファーレン長崎と上位対決が続く。
ここで崩れずに、しっかりと立て直せるか。仙台にとっては正念場だ。