■「超学歴社会」の韓国らしい地下鉄の駅名
現在のソウルが漢城(ハンソン)と呼ばれ、李氏朝鮮王朝の首都だった頃、漢江のあたりは市外の田園地帯でした。養蚕業が盛んだったので、蚕室(チャムシル)とか蚕院(チャムウォン)といった地名が残っています(蚕室は、オリンピック・スタジアムがある地区)。
そして、朝鮮の貴族たちは静かな漢江の畔に別荘を持っていて、狎鴎亭もそうした別荘の名前でした。
飲み屋が並ぶソウルの盛り場の一つに「ホンデ」という街があります。これは、「弘益大学校(ホンイクデハッキョ)」という私立大学があるので、略して「弘大(ホンデ)」という安易なネーミングです。梨花(イファ)女子大学校のある「梨大(イデ)」をはじめ、ソウル地下鉄には大学の名前が付いた駅がたくさんありますが(「~デ」という駅はほとんどが大学名です)、このあたりは超学歴社会の韓国らしいところでしょう。
カタカナ表記ではなんだかよく分からない韓国の地名も、漢字で書いてみると、いろいろなことが分かって来るというわけです。