■浦和戦前日の決起集会
川崎は4月の5試合を3分け2敗と未勝利で終えていた。そのうち4試合は無得点。サンフレッチェ広島との前節の65分にFW小林悠が決めた同点弾が、3月30日のFC東京戦の後半終了間際にMF橘田健人が決めて以来のゴールだった。
順位を16位に下げ、最下位の北海道コンサドーレ札幌との勝ち点差がわずか2ポイントで迎える浦和戦へ。青空決起集会を開いた理由を鬼木監督が明かす。
「広島戦の後から、勝負はここ(浦和戦)だという話を選手にはしていた。ただ、クラブ全員で、という形ではなかったので、昨日はそういう話をしました」
指揮官の決意はチーム全体へ伝播した。18分にスローインからチャンスを作り、こぼれ球に真っ先に反応したキャプテンのMF脇坂泰斗が押し込んで先制した。35分に浦和に追いつかれても、ピッチ上の誰一人として下を向かなかった。
相手ペースになりかけると、インサイドハーフで先発していたMF遠野大弥が、浦和の攻撃を差配するMFサミュエル・グスタフソンにほぼマンツーマンでついて自由を封じた。佐々木の今シーズン初ゴールで勝ち越した後は耐えに耐えて、後半アディショナルタイムに生まれたFW家長昭博の今シーズン初ゴールで突き放した。