■監督が「海外組を自由に招集できない」困難も
U-23代表監督にとって難しいのは海外組に対する招集権がないことだ。かつては、日本人選手が海外移籍するのは、Jリーグで活躍し、また代表で活躍してからのことだったから、オリンピック世代の選手のほとんどは国内組だった。
たとえば、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックに出場したU-23日本代表(手倉森誠監督)で、当時すでに海外でプレーしていたのはレッドブル・ザルツブルクの南野拓実だけで、その他、浅野拓磨がアーセナルに完全移籍し、オリンピック終了後の2016-17シーズンにローン移籍してシュトゥットガルトでプレーすることが決まっていたくらいだ。
だが、今やJリーグで経験を積む前に、海外に渡る選手や高校卒業後すぐに海外クラブに挑戦する選手は珍しくない。
U-23代表監督にとって、「海外組を自由に招集できない」という困難さは、時代とともに一段と大きくなっているのだ。