■コロナ禍で国際大会が中止「足りない」経験
今回のチーム作りで難しかったのは、2020年に新型コロナウイルスによる世界的パンデミックが発生したため、この世代の選手が本来は経験するはずだったU-20ワールドカップの2021年大会が中止となってしまったことだ。
日本の若手選手が国際試合を経験する機会は限られている。
日本サッカー協会は各年代別代表を積極的に海外遠征に出しているが、コロナ禍の時代には、それが難しくなってしまった。また、親善試合ではなく、ヨーロッパや南米、アフリカの代表チームとの真剣勝負を経験できるのはU-17やU-20のワールドカップしかない。
幸い、ここ数年、日本はあらゆる年代の世界大会に出場を続けている。
そこでの経験は、選手個人にとっても、日本のサッカー界全体にとっても、大きな参考資料となり、財産となってきていたのだ。だが、コロナ禍でU-17、U-20のワールドカップが中止になってしまい、現在のU-23代表の選手の多くは世界大会の経験がないのだ(4月30日に21歳になった松木玖生と現在19歳のDF高井幸大は昨年のU-20ワールドカップ・アルゼンチン大会を経験しているが)。