■オリンピック代表監督を悩ませる「制約」
こうして、無事にオリンピック出場権を獲得した日本代表だったが、大岩監督にはオリンピック本大会に向けた準備という大仕事が待っている。
オリンピック代表監督の仕事はきわめて難しいものだ。
ワールドカップを目指すA代表と違って、基本的に海外クラブに所属する選手を招集する権利が日本側にはないから、希望した選手をすべて招集できないのだ。
また、国内の選手にしても代表の活動期間中もJリーグは中断されないため、1つのクラブから多数の選手を招集することが難しくなってしまう。
また、国内組としてチームの主力に据えていた選手でも、途中でヨーロッパのクラブに移籍してしまうことも多い。
1992年のバルセロナ大会以降、オリンピックの男子サッカーが23歳以下のチームによる大会となってから、歴代のオリンピック代表監督はすべて多かれ少なかれ、こうしたさまざまな制約を受けながらチーム強化を担ってきた。
だが、パリ・オリンピックを目指す現在のU-23代表を巡る状況は、これまでよりも、さらに難しさが増している。