サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回のテーマは、サッカー史に残る奇談。
■一向に減る気配がない「足裏」での危険なプレー
近年のサッカーで非常に目立つのが、「足裏」でのファウルだ。遅れているとわかるはずなのに、無理してタックルに行き、しかもボールに対して足裏で行こうとするから、ボールを蹴った直後の相手の足やすねを直撃することになる。サッカーシューズの「ソール」は、現代のサッカー選手が身につけているもので唯一の「凶器」であり、相手に深刻なダメージを与える。
今日のサッカーにはVARがあって、こうしたファウルは見逃されない。足裏でのファウルで退場になる選手が、Jリーグでも毎週のように出る。それでも一向に減る気配がないのは、「インテンシティー(強さ、激しさ)」や「球際」をあまりに強調する「現代サッカー病」なのだろうか。
それなら、スタッドのついた固いソールのシューズを禁止し、ジョギングシューズのようなソフトなゴム底のシューズにしたらどうか。同じようなファウルがあっても、相手に与えるダメージは大幅に軽減され、大ケガにつながるリスクも小さくなるだろう。いっそのこと、シューズを禁止して、裸足(はだし)にしたらどうか。ビーチサッカーのように。