大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第136回【「裸足サッカー」ワールドカップの大舞台へ】(1)激増する「足裏」の危険なファウルの画像
サッカーはシューズを履いてするのが当たり前だと思いがちだが…(写真はイメージです)。撮影/中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回のテーマは、サッカー史に残る奇談。

■一向に減る気配がない「足裏」での危険なプレー

 近年のサッカーで非常に目立つのが、「足裏」でのファウルだ。遅れているとわかるはずなのに、無理してタックルに行き、しかもボールに対して足裏で行こうとするから、ボールを蹴った直後の相手の足やすねを直撃することになる。サッカーシューズの「ソール」は、現代のサッカー選手が身につけているもので唯一の「凶器」であり、相手に深刻なダメージを与える。

 今日のサッカーにはVARがあって、こうしたファウルは見逃されない。足裏でのファウルで退場になる選手が、Jリーグでも毎週のように出る。それでも一向に減る気配がないのは、「インテンシティー(強さ、激しさ)」や「球際」をあまりに強調する「現代サッカー病」なのだろうか。

 それなら、スタッドのついた固いソールのシューズを禁止し、ジョギングシューズのようなソフトなゴム底のシューズにしたらどうか。同じようなファウルがあっても、相手に与えるダメージは大幅に軽減され、大ケガにつながるリスクも小さくなるだろう。いっそのこと、シューズを禁止して、裸足(はだし)にしたらどうか。ビーチサッカーのように。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4