■選手交代でギアを上げていくが

 後半も0対0のまま試合が推移していくが、62分に徳島FW柿谷曜一朗にヒヤリとさせられる。今シーズン初先発の元日本代表FWにクオリティを見せつけられた直後、森山監督が動いた。長澤とオナイウを下げ、FW中島元彦とMF相良竜之介が投入される。中島はトップ下に入り、鎌田がボランチに下がる。

 直後に相良がペナルティエリア内左から、決定的な左足シュートを放った。自ら持ち出すことも、決定的なパスも出せる中島の途中出場で、攻撃のギアが上がる。

 森山監督は74分にも動く。鎌田と中山を下げ、MF松井蓮之、FWエロンを送り込む。松井はシーズン開幕後の3月11日に、川崎フロンターレからの期限付き移籍が発表されている。昨シーズンはFC町田ゼルビアのJ1昇格に貢献したセントラルMFは、移籍後初出場となる。

 83分には郷家が退き、FW菅原龍之助が入る。菅原とエロンが2トップのように並び、中島が右に、相良が左に入る。仙台と同じように選手交代でギアを上げる徳島に押し込まれる時間帯もあり、得点できないが失点も許さないまま終了の笛を聞いた。またしても取り切れなかったと言えるが、徳島が「最後のところはやらせなかった」とも言える3試合連続のスコアレスドローとなった。

 試合後のフラッシュインタビューに応じた森山監督は、「前半ネットを揺らせる部分がたくさんあったので、そこで決めとかないと、こうなっちゃうかな」と振り返った。

 仙台は2勝4分なり、勝点10で6位となっている。首位のファジアーノ岡山とは勝点6差で、2位の清水エスパルスとは勝点5差だ。新監督のもとでのシーズンの入りとしては、悪くないと言っていいだろう。同時に、クリーンシートを記録しつつも勝ち切れない攻撃は、やはり課題と言わざるを得ない。

 次節は横浜FCとのアウェイゲームだ。J1昇格候補との直接対決である。2連勝と調子をあげてきた相手との一戦で、攻撃力が目覚めるきっかけをつかみたいところだ。

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