■無敗の仙台は3試合ぶりの勝利を目ざして
変化の兆しは見えている。
J2リーグ第6節が3月24日に行なわれ、5位のベガルタ仙台は19位の徳島ヴォルティスと対戦した。ホームの仙台はここまで2勝3分の負けなしで、徳島は1勝4敗である。
就任1年目の森山佳郎監督が率いる仙台は、3試合連続でクリーンシートを達成している。総失点も「2」で、守備は安定している。
課題は攻撃だ。前2試合はスコアレスに終わっており、この日はFW中山仁斗が開幕節以来のスタメンに名を連ねた。さらにセカンドトップには、今シーズン初先発のMF鎌田大夢が指名された。2列目は右からMF郷家友太、鎌田、MFオナイウ情滋の並びとなる。攻撃陣の組合せは、まだ固まっていない。
4節まではCBマテウス・モラエスとCB知念哲矢を控えに入れていたが、前節から知念ひとりにしている。終盤の逃げ切りに備えるよりも、点をための交代カードを増やしているのだ。
スタメンの変更は、好影響をもたらした。中山の足元にボールが収まることで、鎌田やダブルボランチの長澤和輝と工藤蒼生、さらにはタッチライン際ではなく内側に立つことの多い郷家が、前を向いてボールを受けることができる。中山のポストプレーを経由して左サイドへ展開し、オナイウの突破からフィニッシュへ持ち込むイメージもあったはずで、それは徳島の右SBエウシーニョの攻撃力を封じることにもなる。
実際にオナイウのクロスからフィニッシュ、という形は多くなかった。それでも、ホームのサポーターの後押しを受けた仙台は、決定的な形を作り出していく。鎌田の右足シュートが右ポストを叩き、郷家のヘディングシュートが相手GKを鋭く襲った。前2試合よりも多彩な攻撃を繰り出し、スコアレスでの折り返しは徳島の守備をほめるべきだっただろう。