■山本と藤田が感じたこと
それでも約1年のベルギー経験を経て、彼自身には前向きな感触もあったという。
「アフリカ系との間合いは日本にいた時とは違いました。彼らは一瞬でも後ろを向いている時に気を抜くと、クルっとターンされて剥がしにかかってくる。それは日本にいたらないし、ラストパスが1個通りそうなところでも足が伸びてきたりもする。中東の相手なんかも似たようなところがあるので、この試合でみんなが何かをつかめたらと思います」と山本はマリ戦の収穫と口にしたのだ。
途中出場の藤田も「フィジカル差のある相手と自分たちが日本代表として戦うのであれば、組織的な守備をして、攻撃のところでもいい関係・距離感を作りながら戦うことができればチャンスはある。勝機も全然あると思います」と語気を強めていた。
数少ない欧州組の意識や考えがチーム全体に伝われば、大岩ジャパンにも希望が生まれてくるかもしれない。彼らには改めて、強いリーダーシップを求めたいところだ。
(取材・文/元川悦子)