■完成した「金沢ゴゴスタ」初の公式戦で事件
この3月3日は、どうやら、北半球の各地でサッカーの試合が雪に見舞われた日だったようだ。アメリカのMLSでは、レアル・ソルトレイク対ロサンゼルスFCの試合が前半早々に降り始めた雪でたちまちピッチが真っ白になり、前半なかばからはラインの部分だけ除雪しながら試合が続けられた。
ユタ州の州都ソルトレイク・シティは、2002年に冬季オリンピックが開催されたことで日本でもよく知られる町である。アメリカ中部、ロッキー山脈の西側の高原にある町で、標高は約1290メートル。ホームの選手たちは降雪にも慣れているのか、3-0で快勝した。
日本でも、同じ3月3日にピッチが真っ白になる「事件」があった。J3リーグのツエーゲン金沢対今治FC。完成したばかりのサッカー専用「金沢ゴーゴーカレースタジアム」での初の公式戦は、試合前から細く降り続いていた雨が、前半22分にホームの金沢がオウンゴールで0-2と差を広げられた直後から急激に強い雨となり、すぐに「あられ」混じりになり、数分後には「あられ」だけが激しく叩きつけられ、あっという間にピッチが真っ白になった。
すると岡宏道主審は試合を止め、本部のところに走っていって何か話し始める。一時中断する相談かと思いきや、なんと、ボールの交換を求めたのだ。今季のJリーグの使用球はアディダス社の「コネクト」というボールで、白が基調になっている。しかし、雪国のクラブにはオレンジ色を基調にした「カラーボール」も提供されている。岡主審はオレンジ色のボールを受け取ると、平然と試合を再開したのである。