■困難な「68メートル×105メートル」の除雪
幸いなことに、「あられ」は前半30分過ぎにはやみ、ハーフタイムを挟んで後半のはじめにはピッチ上のあられも溶けて芝生の緑になった。そして後半5分過ぎ、岡主審はボールを本来の白いものに代えさせた。ちなみに、空から落ちてくる氷のつぶで、直径が5ミリ以下のものを「あられ」、それ以上のものを「ひょう」という。「ひょう」になったら危険だが、ピッチ上ではそうした危険な感じはなかったのかもしれない。
ともかく、金沢「ゴースタ」の「あられ」はあっという間に消えてくれたが、降り積もってしまった雪はなかなかの大敵だ。サッカーグラウンドを1面除雪するのは非常に大変な作業だからだ。サッカーのピッチは68メートル×105メートル。7140平方メートル(約2164坪)もある。出勤前に自宅の前の道を除雪するのとはわけが違う。
しかも、アスファルト舗装をしてある道路の除雪とは違い、芝生の上に降り積もった雪を除去するのは、芝生の保護のため、人力に頼るしかない。私が監督している女子チームも、何年かに一度は「除雪して練習」というハメに陥るが、グラウンドには除雪用の器具も少なく、20人で1時間せっせと働いても、ペナルティーエリアとその周辺程度しか除雪はできない。2時間のグラウンド使用枠の半分を除雪作業に使い、残りの1時間で練習するというのが精いっぱいなのだ。