■被害者は韓国とオーストラリアと「小泉朝香さん」
この「第2試合」が行われたのは、首都タシケントのJARスタジアム。収容は8460人と小さいが、サッカー専用の美しいスタジアムだ。ここの除雪が完全に行われたのは、キックオフ時間の違いだけでなく、かけられた人員が違ったのではないだろうか。韓国×オーストラリアが行われた「ドゥストリック・スタジアム」は、タシケントから東に約20キロ離れた「ドゥストリック」にある1万人収容の旧式の陸上競技型スタジアム。ウズベキスタン・リーグ2部のFCドゥストリックのホームとして使われているが、人口1万8300人という小さな町では、除雪のための人出を集めることもできなかったに違いない。
ならばキックオフ時間を遅らせればよかったようなものだが、そこは「放映権」や「テレビ局との約束」をまるで神のようにあがめる近年のアジア・サッカー連盟(AFC)である。「除雪なかば」でも、「キックオフを遅らせることはまかりならん」と、強行したのではないかと想像してしまうのである。その被害者は、重要な試合をこんなひどいコンディションでやらされた韓国とオーストラリア両チームとともに、主審を務めた日本の小泉朝香さんだっただろう。ちなみに、観客は40人だった。