■J2降格でも監督続投で継続性を担保
2024年シーズンのJ2を牽引していく存在だろう。横浜FCは清水エスパルスと並んで、J1昇格の有力候補である。
理由はふたつある。
ひとつ目は四方田修平監督の続投だ。
四方田監督は22年に就任し、FW小川航基の得点力を最大限に生かしてJ1昇格を勝ち取った。翌23年はJ1で最下位に終わってしまったが、シーズン折り返し後は優勝したヴィッセル神戸に2対0で勝利し、同2位の横浜F・マリノスにも4対1で大勝した。前半戦は3失点以上の敗戦が7試合もあったが、後半戦は1試合まで減らすことができた。勝負強さには物足りなさが残ったものの、クロスゲームに持ち込めようになったのは前向きな変化だった。
そのうえで、指揮官を続投させたのである。継続性を担保したことで、今シーズンへの準備をスムーズに進めることができた。
ふたつ目はストライカーの補強である。
22年に2位でJ1昇格を勝ち取ったのは、前述したように小川の爆発があったからだった。その大型FWは23年7月にオランダ1部のNECへ期限付き移籍し、チームはそこから得点源を据えられないまま23年のシーズンを終えている。
J1昇格のために急務と言っていいストライカーの補強は、満点解答である。即戦力を多数揃えたのだ。
ひとり目は森海渡である。プロ2年目の昨シーズン、柏レイソルから徳島ヴォルティスへ期限付き移籍すると、37試合出場で13得点3アシストの結果を残した。185センチのサイズを生かして攻撃の起点を作り出し、ゴール前で力強くプレーする。スピードを生かしてDFとの競り合いで抜け出し、フィニッシュへ持っていくこともできる。さらに、シュートレンジが広い。ズドンと音がするようなパワフルショットを、豪快に突き刺していく。
徳島では期限付き移籍だったが、横浜FCには完全移籍で加入した。今シーズンにかける思いに表われだろう。