■東京、名古屋、広島…「堅守速攻型」の大躍進
長谷川健太監督の下でFC東京や名古屋グランパスはスピードのある選手を使ったカウンターを武器にしたし、ドイツの名将ミヒャエル・スキッベ監督を招聘したサンフレッチェ広島は、ボールを奪ってからテンポの良いパスをつなぐスタイルを追求している。
そして、「バルセロナ路線」から大きく方針を転換した吉田孝行監督のヴィッセル神戸は2023年、前線からのプレスを武器に、ついに川崎と横浜FMの牙城を崩して初タイトルを手にしたのだ。
もちろん、ヨーロッパのトップレベルのチームに比べれば神戸のプレス強度は低いかもしれないが、Jリーグのチームとしては世界をリードする「カウンター・プレス」に最も近いスタイルだったと言えよう。
こうして、2023年シーズンのJ1リーグでは「カウンター・プレス」型の神戸が優勝を飾り、広島や鹿島アントラーズのような堅守速攻型のチームが上位に進出した。
では、2024年は神戸を筆頭とする「カウンター・プレス」型がさらに、その優勢を確立するのか、それとも川崎や横浜FMのようなボールを握ってビルドアップを試みる攻撃型スタイルが巻き返すのか。それこそが、今シーズンのJ1リーグの最大の注目点となるだろう。