森保ジャパンにとってカタールの地で3バックを併用して躍進した2022W杯からおよそ1年後に迎えた今大会。圧倒的な優勝候補として見られながら、結果はベスト8に終わった。2月3日のイラン戦で、1-2の逆転勝利を許してしまったからだ、
前半28分に先制したものの、後半10分に同点弾を浴びる。そして後半アディショナルタイムに逆転PKを与えての黒星だった。PK後に浅野拓磨と細谷真大というFW2人を入れて最後の賭けに出たもののそのチャンスはあまりに小さく、何も効果を感じられないまま試合終了のホイッスルを聞いている。
ただし、その前に処置をすることは十分にできた。少なくとも、後半に日本が得たチャンスは1度きりで、久保建英の左クロスに上田綺世が合わせたもの。それも日本が1点をリードしている後半5分台のもので、その段階ですでにイランペースになっていただけなく、その後、40分以上も日本はノーチャンスのまま、イランの危険にさらされ続けていた。
その流れを変えるべく打たれた手は後半17分の交代カードのみ。前田大然に代えて三笘薫、久保建英に代えて南野拓実を入れた2枚替えだ。三笘の投入は今の日本にとって考え得る最大のジョーカーだが、その三笘にボールを供給する形が機能することはなく、その後の交代カードは先述したリードされたあとのFW2枚投入のみである。指揮官は実質2枚の交代カードのみで、この試合を勝利に導こうとしていた。