■イラクの強さ

 さて、日本代表はグループリーグではこの後、イラクとインドネシアと対戦する。

 面白いことに、ベトナム、イラク、インドネシアは、ワールドカップ・アジア2次予選ではすべてグループFに所属しているチームである(日本代表の分析スタッフにとっては、3つの対戦相手国がワールドカップ予選で同組にいることで分析はしやすくなったはず)。

 各チーム2試合ずつを終了した時点で、イラクが2勝しているが、イラクの初戦はホームのインドネシア戦でスコアは5対1、2戦目はアウェーのベトナム戦で1対0でイラクが勝利した。

 従って、イラクがベトナム、インドネシアよりランクが上のチームであることは間違いない。

 そもそも、イラクは2007年のアジアカップ優勝国なのだし、「ドーハでのイラク戦」といえば日本代表にとっても、当時のMFとしてプレーしていた森保監督にとっても苦い思い出のある相手だ。1986年のメキシコ・ワールドカップにも出場した経験もあり、かつては中東諸国の中で最も近代的なサッカーをする国だった。

 ただ、2003年にアメリカのブッシュ(息子)政権が強引に仕掛けたイラク戦争の後、イラクは長く政治的な混乱が続き、テロが横行。ホームゲームの開催もできない状態が続いた。

 そのため、イラクにはかつてのような強さは失われてしまった。

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