サッカー日本代表の2024年は、元日のタイ代表戦から始まった。その道は、すぐに開幕するアジアカップ、さらにその先へとつながっていく。この1月の「絶好機」をどう活かすべきなのか。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。
■タイ代表戦で見えたトライ
実際、タイ代表戦でも攻撃パターン構築の作業は始まっていた。
前半の日本代表はタイを攻めあぐねて無得点に終わった。迫力のない攻撃に終始し、スタンドの盛り上がりにも欠け、国立のスタンドにはタイ代表を応援するタイ・サポーターの太鼓の音だけが響いていた。批判を受けても当然だろう。
しかし、ピッチ上では選手たちがコーチ陣から与えられた攻撃パターン構築のための指示を実践すべく苦心を重ねていた。
右サイドハーフの伊東純也と同サイドバックの毎熊晟矢。それにワントップの細谷真大、トップ下の伊藤やボランチの佐野などが絡んで、相手のペナルティエリア内の深い位置、いわゆる「ポケット」に入り込むパターン構築にさかんにトライしていたのだ。
イメージとしては全盛期の川崎フロンターレの右サイドの攻撃に近い。
サイドハーフの家長昭博が圧倒的なキープ力でボールを収め、そこにサイドバックの山根視来とインサイドハーフの脇阪泰斗が絡んで、ワンタッチでパスを回して相手陣内深くまでえぐる必殺の攻撃パターンだ。
それに近い形を代表でも再現しようというわけだ。