2023年、日本サッカー界は成長を続けた。ドイツ、スペインを撃破した2022年のカタール・ワールドカップに続き、アウェイの地でリベンジに燃えるドイツを返り討ちにするなど、世界を驚かせ続けた。その成長は、2024年も続くのか。日本サッカー界の成長への期待と、そのために必要なポイントについて、ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が、年をまたいで燃え盛る激論を交わした。
■逆襲の柏
――2023年のJリーグで、面白かった、あるいは印象に残ったチームはありますか。
後藤「サンフレッチェ広島は、チームの状態が良い時には、良い内容の試合をしていたね。ただし、それが続かないな、という印象だった。優勝したヴィッセル神戸も、ベテランが多いから夏場にはどうなるだろうかな、と心配していたけど、結局34試合それほど落ちることなくうまく回して優勝した。他にも良いチームはいくつかあったけど、34試合良い調子を続けることは、なかなかできなかったね。そうそう、柏レイソルは終盤、とても良くなった。この流れが2024年にも続くといいね」
大住「井原正巳監督に代わったばかりの頃は、やりたいサッカーをうまく表現できていなかったので丈夫かなと思っていたけど、11月くらいから本当に良くなったよね。最後の公式戦になった天皇杯の決勝では終始、川崎フロンターレを圧倒していたもんね」
後藤「あれだけの内容だったのに、PK戦で負けたのはかわいそうだった。延長戦までは、圧倒的優位に立って試合を進めたんだけどね」