■フットサルでも奏功するカウンタープレス
こうした変化は、本場ヨーロッパでも起こっているものだ。
FCバルセロナの「ティキタカ」が一世を風靡した時代は遠い過去のこととなり、バルセロナ自身も通常型のチームに変わっている。そして、ここ数年はヨーロッパのサッカーシーンの主流はカウンタープレスとなっている。また、昨年のワールドカップを見ても、代表レベルでもカウンタープレスの時代に入っていることは明らかだ。
つまり、Jリーグのサッカーの変化は、数年のタイムラグがあったものの、ヨーロッパのサッカーの新しい潮流を追いかけているようにも見える。
そして、Fリーグのファイナルシーズンの戦いを見ていると、どうやらフットサルの世界でも、11人制のサッカーと同じように前線からの守備で相手陣内でボールを奪って一気に攻撃する、カウンタープレスに近いやり方が主流となりつつあるように感じたのだ。
たとえば、ファイナルシーズン上位リーグの初戦。立川アスレティックFCがバルドラール浦安に逆転勝利した試合では、前半から立川がボールを持つ時間は長かったが、浦安がしっかり相手をマークした。そのため、立川は「はめられてしまって」、なかなか可能性のあるシュートを撃てない状態が続いた。
ところが、後半に入ると、浦安がボールを持った瞬間に立川が前半以上に速いプレスをかけてボールを奪い、また、奪ったボールを素早く展開して浦安の守備を攻略して、後半だけで5ゴールを奪って逆転勝利したのだ。
プレスの掛け合いで前半は浦安が優位に立ち、後半は逆に浦安がボールを奪った瞬間を逆に狙った立川のカウンタープレスが功を奏した。そんな試合だった。