■日本サッカー界が強化すべき点
そして、Jリーグの強化はJ1のトップクラブだけでなく、J2リーグ、J3リーグ、JFLと下部リーグにまで波及して、日本全体のサッカーのレベルが上がっている。
一握りのトップが強化されただけでは、その一部の選手が現役を退いた後に日本代表は弱体化してしまう。
1968年のメキシコ・オリンピックで日本代表が銅メダルを獲得した後の1970年代がそうだった。自国開催の東京オリンピックのために国からの資金を使って多額の強化費を当てて強化した一握りの代表選手が舞台を退くとともに、日本代表は弱体化し、代表が再び世界の舞台に返り咲くのに30年近い年月を擁することになったのだ。
だが、今では日本代表から地域リーグまで、日本のサッカー全体が強化されているのだ。
次のステップでは、そんな全体の強化の中でJ1リーグのトップクラブが国際的な地位を上げることを目指すべきなのかもしれない。Jリーグ全体の強化と、トップクラブの強化。その2つをどのようなバランスで目指していくのか。日本サッカー協会とJリーグが考えるべき課題である。
いや、協会やリーグが指導することではなく、各クラブがそれぞれの目標を持って強化を続けていく過程の中から自然と解答が出てくることこそ理想の姿なのかもしれない。