■「対策」に苦しんだ川崎
J1リーグと並行して戦ったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループリーグでは川崎はすでに5戦全勝で首位通過を決めている(リーグ戦優勝の可能性がなかったため、ACLに全力を割くことができた)。
「結果」を出しただけでなく、ACLの試合ではかつての全盛期のような川崎らしいパス・サッカーによる崩しが今でも効果的だ。
直近の試合、11月28日のジョホール・ダルル・タクジム戦でも、川崎は5対0と圧勝したが、右サイドを崩してDFの大南拓磨がゴールラインぎりぎりの深い位置まで進入して折り返したボールを逆サイドから走り込んだ家長昭博が決めた先制ゴールなどはまさに全盛期の川崎を思い起こさせるような美しいゴールだった。
Jリーグに比べれば守備力が劣り、しかも「川崎対策」を持ち合わせていないチームが相手であれば、かつての川崎のような華麗な攻めは十分に有効なのだ。
では、今後、川崎がJリーグで盛り返すためには、どのような選択肢があるのだろうか?
「川崎対策」が進み、堅守速攻型が優位に立ったJリーグでは、川崎もスタイルを変化させていく必要があるのか? それとも、さらにパス精度を上げることで川崎のスタイルを貫いたうえで相手の「対策」を上回っていくのか?
鬼木達監督が、来シーズンに向けてどのような修正を施すのか注目したい。