■スンダ人が暮らす街
インドネシアという国は面積が190万平方キロメートルというから日本の5倍以上。人口も日本の2倍半近い2億7000万人という大国です。しかも、5000以上の島がある群島国家ですから、地域によって異なった民族が住む多民族国家でもあります。
たまたま17世紀にオランダの「東インド会社」が植民地にした地域に住んでいた各民族が独立後もまとまってインドネシアという国を造った一方で、マレー半島を中心に旧英国領だった地域はマレーシアとなったわけです。
そんなインドネシアで最も人口が密集しており、文化、経済の中心となっているのがジャワ島です。そのジャワ島の東部には最大民族であるジャワ人が住んでいて、ジャワ島西部にはスンダ人が住んでいます。
U-17ワールドカップで日本チームがグループリーグの3試合を戦ったバンドン市は西ジャワ州の州都ですからスンダ人の街。ラウンド16のスペイン戦が行われたスラカルタ(ソロ)市は東ジャワ州のジャワ人の街です。
ジャワ人がしゃべっているのはジャワ語。スンダ人の言葉はスンダ語と言葉も違います。一般に「インドネシア語」と言われているのは、この国が独立した時にマレー語を元に造られた人工の共通言語です。最大民族であるジャワ語を国語にしなかったのは、民族融和を考えた当時の指導者たちの好判断でした。