■戦いはまだ続く

 今季の甲府は、最大の目標としてきたJ1昇格を逃した。しかし9月以降のJ2とACLを並行して戦ってきた姿、そしてピッチ上でつくり上げたサッカーは、本当に称賛すべきものだった。それは、ACLグループステージが今後2試合の結果でどうなるで、その価値が変わるものではない。Jリーグに「クラブ・オブ・ザ・イヤー」という表彰があるなら、現時点ですでに甲府は十二分にそれに値する。

 山形に敗れてJ2リーグ戦が終了した翌11月13日の朝、甲府は佐久間悟社長が「ヴァンフォーレ甲府に関わる全ての皆様へ」と題したステートメントを発表した。2008年から甲府でチーム強化の責任者を務め、2021年以後は社長としてクラブを牽引している佐久間は、J2の1シーズンを総括した後、最後にこう訴えている。

「ヴァンフォーレ甲府は、来シーズンのJ1復帰の道は閉ざされましたが、ロマンを探求しての国立競技場でのグループステージの戦いはまだ続きます。(中略)ヴァンフォーレらしく、相手をリスペクトしてフェアプレーを忘れずに頑張りますので、引き続きご声援を宜しくお願い致します。」

 サッカーは、ときどき、本当に素晴らしい夢(ロマン)を見させてくれる。

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