■森保監督の鎌田への“親心”
そもそも今回の鎌田招集に関しては、最初から不安も皆無ではなかった。というのも、新天地・ラツィオでこのところコンスタントに出番を得ていないからだ。
「自分自身の絶対的な実力の部分が足りないというのもありつつ、今はルイス・アルベルトか僕かっていう感じになってるので、そこのポジション争いが一番難しいタスクになっている」と本人は苦しい表情で所属先での課題を説明していた。
それでもあえて今回の代表招集に踏み切ったのは、森保一監督が“鎌田にはここで代表に来てもらって自信を取り戻してほしい”という親心があったからではないか。格下のミャンマー戦でいい感触をつかめれば、今後の浮上のきっかけをつかんでくれるかもしれない。そんな期待を込めて今回先発に抜擢したはずだが、ケガという一番避けたかった事態になってしまった。これは森保監督、鎌田の両者にとっても想定外だというしかない。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)