■水戸のシステムは読みにくいが…
対する水戸は前節の磐田戦に、3-1-4-2のシステムで臨んだ。4-4-2をベースとしてきた戦いに手を入れてきたことで、清水からすると相手の出かたが読みにくい。
水戸にとっては今シーズンのホーム最終戦で、濱崎芳己監督と選手たちはファン・サポーターに勝利を届けるとの思いを抱いているはずだ。だからといって、清水を相手に真正面から撃ち合いを挑んでくるとは考えにくい。MF武田英寿をキッカーとするリスタートを強みとすることからも、少ない好機を生かして僅差で勝ち切るイメージを描くはずだ。
水戸がどのようなシステムを選んでも、清水がボールを保持する展開になることは変わらないだろう。つまりはこれまでやってきたことを、いかに発揮できるかがポイントになる。
ここまで8ゴールの水戸FW安藤瑞季、同6ゴールでドリブルが得意なMF小原基樹らを警戒しつつ、いつものようにボールを動かしながらチャンスをうかがっていけばいい。前節の大宮戦で得点をあげたチアゴ・サンタナ、カルリーニョス・ジュニオ、乾に加えて、39節、40節で2連弾のMF中山克広の活躍も期待される。
前節の大宮戦では、開始からわずか2分で先制点を奪った。大量7ゴールを記録した39節のいわきFC戦でも、11分に1対0としている。早い時間帯にスコアを動かすことは、「勝たなければいけない」というプレッシャーから解放されることにもつながる。
くしくも昨年まで指揮した水戸で決戦に挑むこととなった秋葉忠宏監督は、「必ず全員の力を持って、戻るべき場所、帰るべき場所へ戻りたいと思っています」と話す。今シーズンのすべてをぶつける一戦は、12日13時にキックオフされる。