■政治的野心がない日本

 かつて中国最強チームとしてACLを2度も制したことがある広州恒大は、親会社である恒大集団が経営危機に直面したため資金力を失い、2022年にはついに2部リーグ(甲級聯賽)に陥落してしまった。

 中国ではサッカーを指導する協会を巡ってもスキャンダルが多発。元代表監督の李鉄氏が贈収賄の疑いで逮捕されるなどして代表も弱体化。中国は国際サッカー界における影響力を失っていった。

 ちなみに、代表チームの躍進など、サッカー強化に成功した日本は、AFC内での権力争いに参入するほどの政治力は持っておらず、これまでにもFIFA理事選挙などで何度も敗退しており、現在の日本サッカー協会からはAFC内で影響力を拡大・行使しようという考えは失われているようだ。

 こうして、AFC内の権力構造は中東が圧倒的に有利な方向に傾いていったのである。

(4)へ続く
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