■犬飼が天皇杯決勝で出場不可
そんな柏にとって難題は犬飼が出場できないことだ。浦和で今季天皇杯に出ている彼は試合には出られない(なお、山田雄士もJ2栃木SCで出場しているため、犬飼同様に出ることができない)。10月8日の準決勝・ロアッソ熊本戦は古賀と立田悠悟がCBコンビを組み、右サイドバックに守備力のある片山瑛一を据える形で奏功したが、立田が先発で出る時はどうも最終ラインの不安定さが拭えない。
J1ラスト3戦は古賀・犬飼コンビで行くだろうから、古賀・立田のコンビを研ぎ澄ませる機会も少ない。そのあたりは井原正巳監督にとっても頭の痛い点だろう。
攻撃に関しても細谷の得点力に依存しがちなだけに、今回の山田雄士のような別の得点源の出現が必須。今季リーグ無得点の山田康太や途中出場の多いフロート、武藤雄樹、小谷松知哉らの奮起も求められるはずだ。
一発勝負の戦いであれば、総合力で結果を出せることもある。そういう部分で柏にかかる期待が大きい。まずはリーグ戦が最優先だが、来季ACL出場権のかかる天皇杯の行方も視野に入れつつ、彼らの底上げを楽しみに待ちたい。
(取材・文/元川悦子)