■主将が明確にした改善点

 迎えた後半、川崎は攻撃のテコ入れを図るため、左インサイドハーフ(IH)の瀬古樹に代えて遠野大弥を投入。その遠野が10分も経たないうちに細谷を足裏で削って一発退場。柏は数的優位の状況になる。

 それを生かして追加点を奪えればよかったが、劣勢になった時の川崎はしたたかだ。逆に相手にボールを持たせる展開にスイッチ。後半25分の橘田健人のゴールも相手が前がかりになったスキを突く形だった。そのあたりはさすが過去5年間で4度のJ1タイトルを取ったチーム。川崎の試合巧者ぶりが如実に出ていた。

「何か大きく自分たちが変える必要はないとは思います。ただ、相手がうまい分、剥がされた時の戻りの早さとかはもう少し整理しなきゃいけないのかなと。後半失点したシーンもそうですけど、最終ラインとボランチの距離がちょっと開いたかなとは感じて、1人1人の守る範囲が前半よりも広くなってしまった。90分通してコンパクトな形を維持し続けられるようにっていうのは、次のファイナルに向けて繋げなきゃいけない部分だと思います」とキャプテン・古賀は改善点を明確にしていた。

 まずは堅守で相手を零封することを第一に考えないと、ゴミスのみならず、レアンドロ・ダミアン小林悠、山田新らFW陣だけでも複数選択肢のある川崎を止めるのは難しそうだ。

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