■J2中位VSタイの「絶対王者」
「非対称戦」というと、10月4日に東京・国立競技場で行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)もその一つだ。
リーグ1やFAカップなど3大タイトルを2年連続で独占したタイの「絶対王者」と対戦したのは、J2リーグのヴァンフォーレ甲府だった。
昨年の天皇杯全日本選手権優勝でACL出場権を獲得した甲府だったが、昨年のリーグ戦では18位に終わり、今シーズンもプレーオフ圏(6位)入りを目指して戦っているチームである。
タイの「絶対王者」とJ2リーグ中位のチーム……。それは、ある意味では「非対称戦」と言える。
だが、試合内容はほぼ互角の展開となった。
個人能力としてはブリーラムが多少上回っており、ワントップのロンサナ・ドゥンブヤの突破力や左サイドラミル・シェイダエフのドリブル。中盤でのティーラトンのパス回しやミドルシュートなど、いわゆる「個の力」を使って決定機を作った。だが、甲府は中盤でのプレスをかけて相手に思ったようなプレーをさせず、狙った位置でボールを奪うことに成功。ポゼッションでブリーラムを上回った。